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Ⅰ章 「ひきこもり」の概念

厚生労働省 ひきこもり対応ガイドラインより抜粋

「ひきこもり」は、単一の疾病や障害の概念ではありません

「ひきこもり」はさまざまな要因によって社会的な参加の場面がせまばり、 自宅以外での生活の場が長期にわたっている状態のことをさします。これは、なにも特別な状態の現象ではありません。 何らかの理由で、周囲の環境に適応できにくくなった時に、「ひきこもる」ということがありえるのです。
「ひきこもり」とは病名ではなく、ましてや単一の疾患ではありません。また、「いじめのせい」「家族関係のせい」 「病名のせい」と一つの原因で「ひきこもり」が生じるわけでもありません。生物学的要因、心理学的要因、 社会的要因などが、さまざまに絡み合って、「ひきこもり」という現象を生むのです。
ひきこもることによって、強いストレスをさけ、仮の安定を得ている、しかし同時に、そこから離脱も難しくなっている、 「ひきこもり」は、そのような特徴のある、多様性を持ったメンタルヘルス(精神的健康)に関する問題ということが 出来ましょう。

「ひきこもり」の実態は多彩です

よく、「ひきこもり」をしている人々の性格の特徴が、あたかも一種類にくくれるような言われ方をすることが ありますが、実際には、多彩な人々が、「ひきこもり」の状態におちいっています。そして、そのときのご家族の対応 にも、かなりの多様性があります。
「ひきこもり」への援助の特徴として、この多様性への対応ということがあげられます。

生物学的要因が強く関与している場合もあります

「ひきこもり」という行動をとる人のなかには、生物学的要因が影響している比重が高くて、そのために、 「ひきこもり」を余儀なくされている人々がいます。たとえば、統合失調症、うつ病、強迫性障害、パニック障害などの 精神疾患にかかっている人々です。これらの疾患にかかると、その一部の人は、不安や恐怖感などがとても強くなり、 人と会うことが困難になったり、症状のために身動きできずに、ひきこもらず得なくなったりするのです。 また、軽度の知的障害があったり学習障害や高機能広汎性発達障害などがあるのに、そのことが周囲に認識、理解されず、 そのために生じる周囲との摩擦が本人のストレスになることがあります。
このようなストレスが過剰になった場合に、ひきこもることでそれを回復するものの、精神的に不健康な状態を持続 させてしまうというパターンにはまる人々もいます。

明確な疾患や障害の存在が考えられない場合もあります

それに対して、明確な精神疾患や障害の存在が考えられないにもかかわらず、長期間にわたって自宅以外での対人関係 や社会的活動からひきこもっている人々もいます。成長とともに「生活のしづらさ」が増え、そこから回避するように 「ひきこもり」をはじめたり、何らかの挫折感を伴う体験や心的外傷となる体験が引き金となって、社会参加への 困難感が強まり、「ひきこもり」にはまったりすることがあるのです。
精神的観点から詳細な診断をすると、パーソナリティ障害や社会恐怖などと診断される人々もこのなかにふくまれます。

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